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松露を尋ねてⅠ

                    国民宿舎虹の松原ホテル
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14日松露を尋ねる旅に出た。朝早く家を出て駅へ急いだ。夫はマダ眠っている。駅に続く道端には、カラスがゴミを漁っている。犬の散歩をしている人に数人出会った。6時前下町はひっそりしている。

 7時50分福岡行きの空の便に一人乗った。はたして松露は見つかるだろうか。漠然とした唐突な旅の始まりだった。空港から唐津までは電車で1持間20分位らしい。

 福岡空港も、佐賀県唐津地方へも全く始めていく場所だった。尋ね尋ねて辿り着いた唐津は美しい海の町だった。

 タクシーで虹の松原へ。ホテルへ着いたのは丁度お昼だった。チェックインには時間が早い。ホテルで昼食をし、荷物を預けた。

 心はホテルから長く連なる松林にある。松原はホテルの周りは結構手入れされていた。思ったより林は荒れていないのではないかと、少し希望がわいた。

 なにしろ松露は、綺麗な海岸沿いの、綺麗な松林にしか出ない幻の茸なのだから...


 ホテルには娘夫婦と、熊本のムコドノのお母さんも来ることになった。丁度ムコドノたちは親戚の結婚式に2日前から熊本に来ていた。

 皆で探してくれることになったのだ。私が一足早く到着した。先に一人で林に入った。熊手が無い。竹の棒を拾い、ガキ大将みたいに棒をふりふり歩いた。

 そうしないと蜘蛛の糸がそこいらじゅに張りめぐり、顔と言わず被服と言わずくっついて気持ち悪い。綺麗に松葉が掃除されていたのは少しの場所だけだった。

 長い間落ち葉の積もったものが堆積され、松露が出てくる余地などないように思えた。松露とは、字の如く松の露なのである。

 美しい黒松林のある部分にだけ、ひっそりと松の妖精のように露の玉となり現れる。虹の松原とはそんな場所だったはずだ。

 巾も広く延々5kも続く松林、この何処を探せば見つかるだろうか。私は呆然と黒松の元に立っていた。ふと見れば群青色の玄界灘が静かな波音を立てていた。 つづく

                 この松林が5kも続いている
 
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by inakagurashi2003 | 2007-10-16 21:43 | 雑談

初孫誕生で喜びのオーマ(ドイツ語でおばあちゃん)です。


by inakagurashi2003