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賞味期限 消費期限改ざんで思うこと

 近頃カラスの鳴かぬ日があっても、食品の不正表示にまつわるニュースが無い日はない。出る、出る、有名メーカー、無名メーカー消費期限の日付を張り替えたとか、一旦冷凍してまた売り出したとか、買い物に行ってもまず何を信用していいか解らない。

 20年以上も前娘達も大きくなり、私は少しアルバイトに出た。2Tトラックでハムヤウインナー、肉類を配達する仕事であった。

 まだ40そこそこで若かった私は、スーパー、小売肉や、お弁当や、生協などを回り、注文された商品を下ろし納品した。

 給料は1時間1000円、今も余り変わらないことを思えば良かったのかもしれない。当時も今も、スーパーは納品業者に余計な仕事をさせている。

 大手の店でも納品書を渡し帰ることは無かった。それからもう直ぐ消費期限が切れるものを回収し、新しい商品にその店の値札を張り陳列棚に並べるのだ。

 そして返品伝票を書き渡す。ここまでしないと帰してくれない。買う方の我がままぶりはこれだけではない。

 来月旅行なんだよねと言うから、そうですかいいですねと言うと、ご祝儀は無いのと言われた。私は何のことか解らず、えっと怪訝そうな顔をすると、旅行の時は何か持ってくるもんだよ 
 
 どうしていいか解らず、会社に電話するとビール券を2ケース分買い渡してと支持された。
こういうことをしてるんだ、陳列棚に並べるだけでも時間がかかるサービスなのに...

 そして返品された商品はどうなるのか、会社はもったいないから廃棄はしない。その商品は大体弁当屋さんにB級品として売られていく。

 返品された物を袋から出し、大きな袋に入れ冷凍庫に保管する。それには消費期限など付いていない。冷凍した物は順次弁当屋さんや、小売店にバラで納品する。

 製造する工場へも何かの用事で行ったことがあったが、清潔で髪を包む帽子を被せられ、白い作業用の服を着て入った。

 ハムを作っていたが、ここでは想像以上に清潔に管理されていたから、毎日納品している私は安心した。

 一方納品したお弁当屋さんでは、B級のウインナーを冷凍庫に入れてと案内された。冷凍庫の中を見て驚いた。ハム、肉、ちくわと色々あったが、どれとして納品順に並んでいるのでもなければ、棚にきちんと保管されてもいなかった。

 商品は冷凍庫の床にゴロンと転がっていた。肉もハムもちくわも霜が付いてその上を長靴で踏んで歩いていた。

 それだからお弁当には油で揚げたものが多い。消費期限のとっくに過ぎた冷凍ハム、ウインナー、売れ残った豚肉等を買って使用していたのだから、揚げ物でなければ危ないのだ。

 世の中そういう風に回っている。世間を騒がせている賞味消費期限は、別の業者では関係ないのである。

 食品に対する安全は、販売した方ばかりがとやかく言われているが、B級品を買い冷凍庫のずさんな管理で、お弁当を作り配達している所までは気が回らない。

 私はアルバイトをしていた食肉加工会社だけしか知らないが、どの会社もこれに似た販売方法をとっていると思われる。

 営業をしている人が、A社からB社に移ることもあった。それに同じ店に納品に行き顔を合わせることもあったから話もするだろう。

 そうそう旅行に行くと言った肉部門のチーフはこうも言った。A社からはもうご祝儀がきてるよA,B、C,ともっと多くの納品業者から、旅行のご祝儀を当たり前のようにおねだりしている。

 それは消費者に添加された価格となり、跳ね返ってくることを知らなければならない。小さなおねだりは、やがて官僚のゴルフ接待、政治家への賄賂、見返りを求める薄汚い根性となり、この国に蔓延する。

 賞味期限、消費期限のことばかりに、気をとられていてはいけない。期限を過ぎた商品も、あなたの口に入っている。長靴で踏まれた肉で作ったトンカツも、美味しいと食べている。 
by inakagurashi2003 | 2007-10-31 08:13 | 雑談

初孫誕生で喜びのオーマ(ドイツ語でおばあちゃん)です。


by inakagurashi2003